Hits.44 勝利とフェアプレイ
2018.6.8


 ニュースなどでご存知の方も多いと思いますが、アーチェリーにおいて、指導者の高校生へのセクシャルハラスメント、パワーハラスメントの問題が起きました。
 中央競技団体である全日本アーチェリー連盟は、問題により一度は所属県協会から2年間の会員資格停止処分を受けたにも関わらず、その後も選手達への接触をやめなかった元主任強化コーチに対して、無期限会員資格停止処分とする事を決定しています。私のような一般会員には報道された以上の情報は無く、被害の詳細は不明ですが、該当コーチへの処分は妥当だと思います。
 指導者の問題という点で、女子レスリングもパワハラ問題は決着を見ていませんし、アメリカンフットボールでは悪質反則問題が日本中のマスメディアを独占しました。
 アメフトについては競技そのもののあり方を超え、大学運営のあり方に話題が発展しています。非公式の情報や憶測が飛び交う中、日本大学の設置した第三者委員会の調査や、警察への告訴を含め、この問題が今後どうなるのか、真実は何か、まだ時間がかかるのでしょう。

 関東学生アメリカンフットボール連盟の調査報告を前提とすれば、問題の背景は指導者のパワーハラスメントによる反則指示です。
 その問題の根本にあるのは「フェアプレイ精神」の無さ。偶発的な反則ではなく、相手選手をケガさせる事を目的とした反則、これはスポーツではありません。
 ドーピングもそうですが、「ズルして勝って、うれしいの?」その勝利を他者に、そして自分自身に誇れるの? 競技者としてのプライドは無いんかい!という腹立たしい気持ちになります。
 フェアプレイを忘れた行為は、すでに競技でも勝負でもありません。
 ドーピングは個人で関わった場合はもちろん、所属団体や競技組織から、あるいは国単位での圧力なり、なんなりで手を染めてしまった場合でも、その勝利は「卑怯で、スポーツでは無い」行為だと選手自身は知っているはずです。たとえバレなくても。
 それとも「勝利至上主義」、この言葉の前に理性が麻痺してしまうのでしょうか。汚れた勝利でもキレイに見えてしまうのでしょうか。
 カヌー競技では他選手の飲料に薬物を混入させる事件もありました。それでもギリギリ最後は、該当選手は自らの罪を告白しました。
 アメフト選手も、ヒトとしての良心を残し、自身の罪を告白したのでしょう。
 それは同時に自分の競技への愛情だと、私は思います。こんな汚い事をするために競技をしているのではない、という思い。該当選手は加害者ではありますが、その会見は、淡々としながらも、画面から伝わる空気は彼の心の叫びが聞こえるようで、見ていて辛かったです。
 スポーツは楽しむものです。選手は勝利を目指して、勝負を「楽しむ」ものです。お金や名声や立場や、そんなものに振り回されて競技の楽しみが奪われる、とても悲しい事です。そして純粋に楽しむためにこそ、フェアプレイは必要なのです。
 日本オリンピック委員会(JOC)は、2020年東京オリンピックでの金メダル獲得目標を30個と発表しました。なんだかなあ。そうやってメダル、メダルと言い立てる事が選手達への重圧になってしまうんじゃないの?
 選手自身が自らの目標としてメダルを目指すのは結構だけれど、周囲がそれを強制するべきでは無いでしょう。 その結果としてマスメディアは、達成すれば「目標を上回るメダルを獲得し」となり、至らなければ「目標のメダル数には届きませんでしたが」と報道するでしょう。それは、ただの個数数えに過ぎず、選手達のそれまでの努力を、そして大会でのパフォーマンスを無視した、ただの数値にしかならない気がするのです。
 最高のパフォーマンスをして、結果としてメダルを獲得する。それでいいじゃないの。



近況:自分の不注意で
矢を1本折ってしまった。
うぐぐ・・・

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